ボローニャで政治を学ぶ I

ボローニャ大学には school of political scienceという、政治学部に相当する学部があります。そこでは、政治学に関するたくさんの授業が開講されています。

しかし、リミニ・ラベンナ・フォッリなどボローニャ以外で開講されている授業も多く、そこからボローニャで英語で開講されている授業ということになると、かなり絞られてきます。さらに、そのほとんどは大学院のレベルの授業で、内容はかなり専門的なものです。大学院の授業であっても担当の教授にメールなどで受講したい旨を連絡すれば、学部生の交換留学生であっても授業を受けることはほとんどの場合認めてもらえると思います。

僕も当初は教授にメールして大学院の授業を一つ受講し、履修登録もしました。しかしスライドをほとんど使わない授業でかつ英語のレベルが想像以上に高く、日本でほとんど勉強したことのない分野の授業であったこともあって、履修を途中で断念しました。この授業は学生のほとんどが留学生で、教授の英語のスピードや使われる単語のレベルも高く、英語をかなり高い次元で理解することが学生側に要求されるものでした。

一方、英語で開講されている学部レベルの授業は英語がそれほど得意ではない学生の受講も想定してか、比較的平易な英語が使われ、かつ適宜イタリア語での補足説明がなされ(もちろんイタリア語がほとんどわからない僕にとっては補足になりませんが、英語のみでは理解しきれない学生がいることも想定されているということです)ていました。

したがって英語力にそれほど自信がない場合、制度上可能であっても大学院の授業を履修にはかなり覚悟が必要になります。(もちろん授業によって要求される英語のレベルはかなり変わってくると思います。これはあくまで僕が履修した授業に関しての話です。ただし、大学院の授業に高い英語力が要求されるということは、基本的に間違いではないと思います。)

そして既に書いたように、英語でボローニャで開講され、かつ学部レベルの政治学部の授業はかなり限定され(誇張ではなく本当に少ないです。10個あるかどうかという感じです。)、また学部レベルの授業が非常に少ない割に、数少ない英語による学部の授業も東ヨーロッパ政治史といった(多くの日本人にはなじみの薄い)少し変わった内容であったりします。そのため、法学・経済学などの隣接分野の授業も併せて履修する、フォッリキャンパスまで通学する、などといったことが必要になると思います。法学・経済学は(特に経済学)、多くの授業が学部レベルでも英語で開講されている印象です。

僕も、11月から始まる移民に関する授業を、フォッリまで受けに行く予定です。ボローニャ中央駅からフォッリまではトレニタリアのRegionaleで50分ほどで、片道6€です。ただし定期券を購入すれば1ヶ月69.5€で通えるため、経済面でも現実的に通学できます。フォッリ駅からキャンパスまでも多少距離があります。

このように、英語を使用してボローニャ大学政治学を学ぼうとする学部生の留学生にとって、ボローニャはちょっと厳しい街かもしれません。

しかし、同時に政治学を学ぶのにふさわしいと思う点もいくつかあります。あまりブログが更新できていないため、いつになってしまうかわかりませんが、いずれそのことについても書こうと思っています。